◆国内食品通販市場調査
矢野経済研究所(参照データ)によると国内の食品通販市場動向として、2019年度の市場規模は、小売金額「前年度比3.2%増の3兆8086億円」と見込みました。
2020年度は4兆円を超える見通しの予測で、
・飲料水
・米
・酒類
・健康食品
など常備性・習慣性の高いカテゴリーにおいて、潜在的ニーズが高い傾向にあるようです。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、スーパーなどの店頭での密集を避けるために通販で食品をまとめ買いする「購買行動」に広がりを見せています。食品通販に対する需要は引き続き高いとみられている。
◆食品業界の通販(EC化率は2.89%)
経済産業省の発表によると、国内物販系の分野で1番大きな市場は「食品、飲料、酒類」で、商取引の規模は64兆円。
その中でもEC市場規模が1兆8,233億円で、EC化率は2.89%となります。市場が大きいにもかかわらず、まだオンラインで食品を販売している方が少ない。
出典:経済産業省 平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
◆EC化が進みずらい点
◎利便性・即時性の課題
スーパーなどに比べると利便性や即時性に劣るところ。
◎鮮度の課題
自分の目で確かめて安心して買いたい方が多く、近くのスーパーやコンビニで買う方を優先される。
◎配送料の課題
家計の財布事情に合わせた一般ユーザーが購入できる価格帯に設定し出荷する。その際には単価が安価に
なるため配送料がネックになり利益率が低くなるため敬遠される。
◆課題の解決策はないのか?
食品の通販を行うためには、前項のような課題があげられます。しかし、その中でも成功している企業は何がよくて、失敗しているところは何ができていないのでしょうか。
◎利便性・即時性の課題
・農家やハブとなる販売店から「顧客の自宅へ直接配達」
これによって、スーパーにいかなくても届けてくれるところにメリットがある。特に高齢者や、妊婦、コロナ感染防止のために人気を避けたい方には大変喜ばれる。
・定期購入会員などに は「即日出荷」を行う
毎日届けるのではなく毎月指定日時に詰め合わせセットなどを出荷する。毎月1回の楽しみをつくることで消費者も嬉しい。新鮮であること、品質がよく美味しいなど最低限抑えることで毎月の収益の安定も見込める。
◎鮮度の課題
・お試しで買ってもらう
まずは、提供側の欲を無くし喜んでもらうことに重点を置くことで、消費者も安心して手にとることができる。スーパーにいっても、鮮度の悪い食べ物もあり、買い物にいく時間によっては売れ残りを毎回買っている人もいる。最近では、コンビニだけで食事をする人もいるため、スーパーで買い物していない方が健康的な食品を口にできる喜びもお試しできっかけをつくることもできる。
・ライブ配信
見せ方の工夫を行うことで消費者の受け取り方もかわる。YouTubeやSNSのライブ配信をして「新鮮」をアピールして、いつ発送するのかを提示してあげることで、安心感にも繋がる。
・おろせない商品を商品化
鮮度は、スーパーと同等やそれ以上をイメージします。ただし、スーパーに卸すことができなかった、JAに卸すことができなかった商品でも安価であれば喜んで食べたいという層もいる。商品ラインナップに、訳あり商品・キズ入り商品などをつくりお得に食べてもらう企画商品をつくることで、消費者との接点をもうけることができる。
・加工する
鮮度ではなく、ある商品を加工して別の切り口で商品化することで付加価値をつけてみる。一定期間保存できる商品をつくる。
◎配送料の課題
・定期購入
毎月喜んでもらい、提供側は毎月の安定的なストックビジネスモデルにすることで1回の購入の配送料金を無料化して事業の安定化を図る。単品やセット販売などに合わせて、消費者が選択して詰め合わせできる定期便をつくる。提供側が狙うのは、いかにリピートしてもらえるか、そこに全力を尽くす努力をすることが大事。(LTVを最大化する戦略)
◆なぜ、2.133個売れたのか?
2017年にある会社より相談いただいたウェブ広告で90万の広告費で2,133個販売した経験から、食品通販をEC化して売るための重要なポイントを解説します。販売するためは、ECサイトや楽天などの出品と準備していくことがあります。しかし、最初にすべてを行うよりも、何かに集中して取り組むことが重要だと感じます。方法は以下です。
1,自社EC構築(カートつき)+LP構築(カート付きorECに誘導)
2,楽天出店・Amazon・Yahoo!ショッピング
3,自社EC構築(カートつき)+LP構築(カート付きorECに誘導)、楽天出店・Amazon・Yahoo!ショッピング
自社と出店モールでは運用が異なるため、最初にどちらからスタートするかを判断してください。
一長一短ありますが、最終的には体制を整えながらすべてを取り組むことで、それぞれチャンネルにいる層の獲得を目指し発展させます。
また、ウェブ広告は食品通販にはかかせません。そのためには、商品の価格設定から販売後のリピート戦略(定期購入ふくめて)を設計して利益計算や運用していくことでの発展性を描きます。最初から利益を出すというよりも、中期長期で右肩に上げるための顧客獲得と「いかに喜ばれる」「感動する」通販体験を仕掛けていくことが大切です。食品には、季節トレンドがあり需要が一気に高まる時期もあり、準備と攻めをいかに織り交ぜて戦い抜くのかがポイントとなると実感しています。
◆まとめ
食品通販は、夢があります。売上ことも一つありますが、人の身体に入る物で、人生すら変わると思います。毎日、コンビニという生き方も良いすが、農家や農園が手塩に掛けて育てた大切な食べ物を日本中にいる今後の未来を担う子供達に届けて喜んでもらうことがいかに重要かと感じます。生産できる量が限られているのであれば、限られた量からでも通販というオンラインに乗せて、その素晴らしい味や成分を身体に取り入れてもらうきっかけが食品通販(ECサイト)です。